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Magento2 + Stripe決済の連携エクステンション

By |2019-07-12T16:51:16+09:002019年6月24日|Categories: Magentoの設定, Magento2エクステンション|Tags: , , , , , , , |

1. Stripeについて

Stripe(ストライプ)は、オンラインの決済システムを提供する、アメリカ サンフランシスコのフィンテック企業によるAPIサービスです。現在、日本も含め、世界30カ国以上の地域で提供されています。

Stripe あなたの国へ
https://stripe.com/global

いわゆる「決済代行業者」とも言えますが、開発環境もサービス提供エリアもグローバルなため、単なる「決済代行」という捉え方にとどまらず、ビジネスをグローバルに展開するためのバンキング的な基盤として、Stripeを導入する企業が増えています。
Stripe Atlas というサービスでは、アメリカでの法人設立を代行し、Amazon USAなどで海外販売を展開する事業者が、ドルの売上をアメリカの銀行口座で受け取ることのできる体勢を、税務処理まで含めてサポートしてくれます。

日本事業者としてのアカウント登録は、Stripe日本のサイトからオンラインで申し込みをするだけです。
アカウント作成後に事業者情報を入力する必要はありますが、基本的にはオンライン作業だけで多通貨での国際カード決済(Visa/Master/Amex/JCB*要審査)に対応し、Apple Pay、Google Pay などを簡単に導入することができます。

また、オプションとして、定期購読決済(Subscription)、さらに、Alipay(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)などの中国向けモバイル決済を導入することができます。
ただし、中国向け決済については、Stripeを窓口として、アリババとテンセントの担当部署による一定の審査があります。導入前には、それぞれの利用条件をご確認ください。

Alipay Terms of Service
https://stripe.com/alipay/legal

WeChat Payment System User Service Agreement
http://weixin.qq.com/cgi-bin/readtemplate?lang=en_US&check=false&t=weixin_agreement&s=pay

Stripeアカウントで収納可能な決済例

Stripe導入にあたっての初期費用や月額料金はなく、使用した分だけの手数料(3.6%)が利用料金となり、中規模〜大規模のストアは、手数料率をStripe社と個別契約することもできます。
また、代金回収タームは原則として1週間となり、日本国内の登録銀行口座に日本円での振込になります。ドルでの売上があっても、自動的に日本円に換算されて入金となるため、為替手数料(仲直+2%ほど)が発生します。PayPalのようにドルのままプールしておくことができないのでご注意ください。

Magento2には、標準でPayPal連携の機能が搭載されています。
なので、PayPalの他にこのStripeを導入しておけば、越境EC・海外販売のB2Cサイトにおいては、メインとなる決済手段をほぼカバーできると考えていいのではないかと思います。

また、セキュリティ面に関しても、StripeにはRadarという不正注文を防ぐ機能があり、なにより、Stripeの決済システム全体が、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)に準拠したプラットフォームとなっています。
カード情報の入力フォームはStripe側の要素がサイト内に組み込まれますので、購入者のカード情報がストア側のデータベースに保存されることはなく、ハッキング対策としても極めて有効なものになっています。

2. Magento2+Stripeエクステンションを探す

Magento2にStripeを導入するためには、Stripeアカウントの作成の他に、Magento2+Stripeの連携エクステンションをインストールする必要があります。
Magentoエクステンションのページでもご紹介していますが、Magento2のエクステンションを探すには、先ず、Magento Marketplaceで検索をしてみるのがファーストステップになります。

Magento MarketplaceでStripe連携エクステンションを探す
https://marketplace.magento.com/

Marketplaceには、Stripe公式の無料エクステンションがありますが、現状、レビューやコメントを見るとやや微妙な感じの評価になっていますので、他の有料エクステンションを検討してもいいかもしれません。

私自身は、Magento1.9の頃から、Cryozonicというイギリスのベンダーが開発したStripeエクステンションを使用しています。
当初からネット上での評判が良く、いくつかのベンダーを検討した結果、Cryozonicのエクステンションを購入しました。

決め手となったのは、Cryozonicが、Magento専用のStripeエクステンションしか開発しないという、極めてマニアック、且つ職人気質のある開発者チームだったことです。
実際に使ってみて感じるのは、細部まできちんと検証され、緻密に構成・設計されている安定感です。数年使ってきて大きな不具合もなく、サポート対応もしっかりしているので、おすすめできます。

Cryozonic Magento+Stripeエクステンションストア

しかも、先月5月に、CryozonicはStripeと協業し、それまで有料だったすべてのエクステンションが突如として無料化され、Stripeドキュメント内でダウンロードの可能な、準公式的なエクステンションとして公開されました。
(2019年6月現在、Cryozonicストアにアクセスしても、以下のStripeDocsのページにリダイレクトされます。)

Cryozonic Modules for Magento(Stripe docs
https://stripe.com/docs/magento/cryozonic

このページをはじめて見た時、私は(それまでン万円をこのCryozonicに費やしてきたので)、喜んでいいのか、悲しんでいいのか、あるいは怒るべきなのか、しばらくわけも分からず、画面を見つめて、ただ呆然としておりました。。

とにかく、このCryozonicのエクステンションの質は高く、向後Magento Marketplaceにおいても、Stripeの新しい公式エクステンションとして置き換えられるのではないかと憶測しています。

(*2019年7月2日、CryozonicのStripe連携エクステンションが、Stripe公式エクステンションとして、Magento Marketplaceでもリリースされました。https://marketplace.magento.com/catalog/product/view/id/130365/  Marketplaceで購入した場合のインストール方法は、このブログ記事下欄の追記をご参照ください。)

3. Cryozonic Stripeエクステンションのインストール

それでは、CryozonicのStripeエクステンションをMagento2にインストールしてみましょう。
上記でもご紹介した、Stripe Docs内のCryozonic Modulesページにアクセスしてください。

Cryozonic Stripeエクステンション

Magento2のモジュール/エクステンションとして、5つがリストされています。

  • Stripe Payments
  • Stripe Express
  • Stripe Subscriptions
  • Stripe Euro Payments
  • Stripe China Payments

Stripe Paymentsは、このエクステンションの本体メイン機能になります。カード決済と、Appple Pay、Google Payが導入できます。
Stripe Expressは、アドオン(追加機能)の一つで、商品ページ、またはカート画面にて、Apple PayやGoogle Payのボタンが、ワンクリック支払い方式で表示されます。
Stripe Subscriptionsは、定額支払い(月額料金など)の機能を追加できるアドオンです。
Stripe Euro Paymentsは、SEPA Direct DebitやSOFORT、Giropayなどユーロ圏での決済を追加できるアドオンです。(ただし、Stripe日本アカウントでは有効化できません。)
Stripe China Paymentsは、AlipayやWeChatPayなど、中国向け決済を追加できるアドオンです。(日本アカウントでの有効化には審査があります。)

以下、エクステンション本体のStripe Paymentsのインストール手順を説明いたします。

先ずは、Stripe Payments の横の、「Download」 というテキストをクリックしてください。

Stripe Paymentsダウンロード

すると、パソコンに cryozonic-m2-stripe-2.5.0.tgz という名前のtgzファイルがダウンロードされます。(2.5.0はエクステンションのバージョン数です。)
このtgzファイルを、FilezillaやFilemanagerなどのFTPソフトで、Magento2のルート階層へとアップロードをしてください。(Magento2ルート階層のパスは、インストール環境により異なりますので、下の画像は参考例としてお考えください。)

Stripeエクステンションファイルのアップロード

ファイルがアップロードできましたら、PuTTYやターミナルなどで、Magento2ルートにSSHアクセスをし、以下のコマンドを実行してください。

tgzファイルの解凍

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Cryozonicファイル内のPHPライブラリの削除

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ComposerでStripeのPHPライブラリをダウンロード

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*上のコマンドは共用サーバーなど、下のコマンドはsudo権限のあるVPSやCloud用です。Composerが入っていない場合は、作業環境に先にComposerをインストールしてください。(ご参考:Magento2コマンド集

Magento2のキャッシュクリア

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Magento2のセットアップ

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以上のコマンドにて、Cryozonic_StripePayments というStripeエクステンション本体のモジュールが有効化されます。

インストール方法や初期設定、トラブルシューティングなどの詳細は、Stripe Docsのモジュールリストの 「Documentation」 をクリックすると、PDFファイル(英語)で確認することができます。
また、他のアドオンモジュールを追加する場合も、以上と同様の手順、tgzファイルのダウンロード→Magento2ルートへのアップロード→コマンドで有効化の流れにて、アドオンのインストールを行うことができます。

4. Cryozonic Stripeエクステンションの設定

エクステンションのインストール後は、Magento2の管理画面にて、Stripe決済を導入するための設定をいたします。
管理画面 Stores > Configration > Sales > Payment Method に進みます。

Stripe Magento2管理画面

エクステンションが正しくインストールされていると、OTHER PAYMENT METHODS: の項目の中に、Stripe Payments by Cryozonic を見つけることができます。
vマークのアイコンかテキストをクリックすると、Stripe Paymentsの設定画面が開きます。

StripeエクステンションMagento2管理画面設定

各設定項目の簡単な説明は以下になります。

  • Enabled:「Yes」でエクステンションが有効化されます。
  • Title:カート画面に表示するお支払方法としての項目名を編集できます。
  • Mode:「Test」モードと、「Live」モードの切り換えができます。
  • Publishable Key:Stripeダッシュボードで取得したAPI Keyを入力します。「Test」モードと、「Live」モード、それぞれ別のKeyがあります。
  • Private Key:Stripeダッシュボードで取得したAPI Keyを入力します。「Test」モードと、「Live」モード、それぞれ別のKeyがあります。
  • Apple Pay:「Enabled」にすると、Apple PayとGoogle Payを導入することができます。
  • Apple Pay Button Location:カート画面での、Apple Payのボタンの表示位置を、「Inside the Stripe payment form」か、「Above all payment methods」から選べます。
  • Payment Action:「Authorize and Capture」では、お客様のご購入と同時に与信枠での決済が完了します。「Authorize Only」では、ご購入時に与信枠を押さえ、決済処理は店舗側でInvoiceを発行したタイミングで完了します。
  • Stripe Radar:「Enabled」で、Radar(不正注文防止機能)が有効化されます。
  • Save Customer Cards:購入者のカード情報を、Stripeのサーバーに保存するかどうかを選択できます。「Disabled」では無効化、「Ask the customer」では、カード情報を保存するかどうかを購入者に尋ねます。また、「Save without asking」では、カード情報がStripeサーバーに保存され、次回購入でカード情報の入力が不要となります。
  • Optional Statement Descriptor:カート画面お支払い欄に備考的な記述を挿入できます。
  • Pay in store currency:多通貨のマルチストア構成の場合、基本通貨での決済ではなく、表示通貨での決済を行うかどうか選択できます。通貨についてはMagentoマルチストアのページをご参照ください。
  • New Order Status:新規注文のステイタスを選べますが、通常はMagento2のシステムに準拠し、空欄とします。
  • Enable Stripe email receipts:Stripeのシステムから、購入者に請求者メールを送信するかどうかを選択できます。Stripeからのメールは、Stripeのダッシュボードで内容を編集します。
  • Payment From Applicable Countries:Stripe決済を特定国の購入者のみ利用できるようにするには、「Specific Countries」を選択します。
  • Payment From Specific Countries:上記の「Specific Countries」を国リストから選択します。
  • Sort Order:Stripe決済の、カート画面お支払方法欄での表示順を指定できます。

アドオンモジュールをインストールすると、やはり、この管理画面に、該当の設定項目が追加されます。

基本的に、インストール/アップデート時のコマンド作業さえクリアすれば、後は管理画面での設定を進めるだけで、Magento2にStripe決済を簡単に、しかも無料で導入することができます。
Stripeのドキュメントを見ると、開発者向けの説明(コード)が多く、かなり難しく感じてしまいますが、その部分はエクステンションのインストールで補うことができます。

5. Stripeダッシュボードでのいくつかの設定

Stripeのダッシュボードは、何度かレイアウトが更新・刷新され、主要な設定画面では、ほとんどのページで日本語で表示されるようになりました。サポートも日本語対応しており、かなり使いやすい状態になっています。

ご参考:Stripeダッシュボードの概要
https://stripe.com/docs/dashboard

この記事では、Stripeダッシュボードの全般な使い方や設定方法は割愛させていただきますが、Magento2管理画面での設定と合わせて、API Keysの取得と、Apple Payのドメイン認証、Webhookの設定についてご説明いたします。

API Keysは、上記のMagento2管理画面での設定で、Publishable Key と、Private Key と呼ばれている二つのキーペアのことになります。
先ず、Stripeダッシュボードにログインし、左メニューの 開発者 > APIキー をクリックしてください。

StripeダッシュボードAPIキー

アカウント作成直後の場合は、テスト環境でのAPIキーが自動で作成されています。「公開可能キー」が、Publishable Key のことで、「シークレットキー」が、Private Key のことになります。
シークレットキーは伏字になっていますが、「キーを表示」のボタンをクリックすると、キーのトークンが表示されます。

StripeダッシュボードAPIキー

このトークンをコピペして、Magento2管理画面 Stores > Configration > Sales > Payment MethodPublishable Key と Private Key に入力します。

決済のテストには、Stripeがしているテスト用のカード番号をご利用ください。
https://stripe.com/docs/testing

Stripeダッシュボードで本番環境が利用できるようになると、テスト ⇔ 本番 を切り替えることができるようになります。本番環境のAPI Keysは、上記のMagento2管理画面にて、Modeを「Live」にし、同じようにコピペ入力します。

また、Apple Payを利用するためには、Stripeダッシュボードで、ストアのドメインURLを登録します。

ご注意いただくのは、Magento2のストアURLがサブフォルダで終わる場合、Apple Pay用のドメイン登録・認証ができない、Apple Payが利用できない、ということです。
例えば、www.yourdomain.com や、 store.yourdomain.com はドメイン認証ができますが、www.yourdomain.com/store/ と、Magento2ストアURLがサブフォルダで表示される環境では、ドメイン認証ができません。
Apple Pay導入を検討されている場合は、ストアURLやマルチストア構成を決める段階で、この点にご留意ください。

ストアURLは、Stripeダッシュボードの 設定 > ビジネス設定 > Apple Pay から登録します。

Stripe Apple Payドメイン登録

ドメイン登録画面が開くので、「新しいドメインを追加」のボタンをクリックします。

Stripe Apple Payドメイン登録

すると、以下の画像のようなドメイン入力欄と、確認ファイルのダウンロードリンクのウィンドウが開きます。

Stripe Apple Payドメイン登録

www.yourdomain.com や、 store.yourdomain.com などのストアドメインを入力し、その後、「確認ファイルをダウンロード」ボタンをクリックしてください。

すると、パソコンに、apple-developer-merchantid-domain-association という名前のファイルがダウンロードされます。
このファイルを、ウィンドウ下部の案内通りの階層 https://example.com/.well-known/apple-developer-merchantid-domain-association という配置になるように、FTPにてアップロードします。
.well-known のフォルダがMagento2ルート直下に存在していない場合は、その名称で新規でフォルダを作成し、その中へファイルをアップロードしてください。(フォルダ名の冒頭は、. になります。)

そして、右下の「追加」ボタンをクリックします。
無事にドメインが追加されると、以下の画像のように、リンクアイコンと、緑色テキストでドメインが表示されます。

Stripe Apple Payドメイン追加

また、もう一つ、Stripeダッシュボードで設定する項目として、Webhooks があります。
Webhookは、Stripe側でのイベント(データ処理)を、Magento2の管理画面側に送信するためのメカニズムで、ストアでのカードやApple Payなどの受注では必要ではないのですが、Subscription(定期購入) や China Payments(Alipay/WeChatPay) などのアドオンモジュールをインストールしている場合は、必須の設定になります。

Magento2の管理画面では、Cryozonicのエクステンションをインストール後、次のようなメッセージが画面上部に表示されるようになります。

Stripe Webhookメッセージ

Stripe Webhooks have not yet been configured これは、「Stripe Webhooksが設定されていません」というメッセージで、Stripeダッシュボード側にて、Wenhooksを設定する必要があります。

Stripeダッシュボード左メニューから 開発者 > Webhook に進んでください。

Stripe Webhookの設定

「エンドポイントを追加」のボタンをクリックすると、WebhookのエンドポイントURLを入力するウィンドウが開きます。

Stripe Webhookの設定

エンドポイントURLには、https://www.yourdomain.com/cryozonic-stripe/webhooks のパスを、ご自身にストアURLドメインにて入力してください。
送信イベントは、一般的には、欄中央にある「すべてのイベントを受信」のテキストをクリックして、すべてのイベントを選択してください。(画像はすでに選択済みの状態です。)
そして、右下の「エンドポイントを追加」ボタンをクリックします。

無事にWebhookが設定されると、以下画像のように、エンドポイントURLが表示され、緑色の「有効」マークがつきます。

StripeエンドポイントWebhook追加

通常、Webhook設定後も、Magento2管理画面では、黄色背景のメッセージが表示されたままになっています。
これは、このメッセージの表示が、Webhookの受信履歴がMagento2のキャッシュフォルダに存在しているかどうかで判別されるためです。テスト受注後には、キャッシュに情報が残りますので、管理画面のメッセージが消えます。
ただし、Magento2の作業で、/var/ フォルダ以下のキャッシュをクリアした場合には、再びメッセージが表示されるようになります。再表示されても、Webhook自体の設定はStripe側で完了していますので、ご安心ください。

今回は、CryozonicのStripe準公式の無料エクステンションをベースに、Magento2とStripe決済の連携について説明いたしました。決済まわりは慎重な設定作業が求められますので、様々なデバイスのテスト環境で試してから、本番環境へと移行するようにしてください。

追記:
2019年7月2日、この記事でご紹介したCryozonicのStripe連携エクステンションが、Stripe公式エクステンション(Stripe Payments SCA Ready)として、Magento Marketplaceでもリリースされました。以下より無料で入手が可能です。
https://marketplace.magento.com/catalog/product/view/id/130365/

Magento2 Stripe公式エクステンション by Cryozonic

Marketplaceにて購入(無料)した場合は、この記事でご案内しているZipファイルの手動作業は不要となり、以下のコマンド一行で、Stripe Payments、Stripe Express、Stripe Euro Payments、Stripe China Payments をインストールすることができます。(Subscription/定期購読のモジュールのみ外れています。)

上がVPS/Cloud環境でのコマンド、下が共用サーバー環境でのコマンドになります。

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上記コマンドを実行後、Magento2のセットアップ、コンパイル、キャッシュクリアのコマンドを実行してください。

また、Composerでインストールした場合、管理画面 > Stores > Configration > Sales > Payment Methods では、Stripe連携エクステンションの設定欄が、以下のように、目立つポジションに(Stripeのロゴつきで)入ります。

Magento2 Stripe公式エクステンション

「Configure」ボタンをクリックすると、それぞれの項目設定が開きます。

Stripe連携エクステンション Magento2管理画面

Composerでのインストール方法について、詳細は以下ガイドをご参照ください。
https://marketplace.magento.com/media/catalog/product/stripe-stripe-payments-1-1-2-ce/installation_guides.pdf

中国越境ECについて思うこと – 越境ECの「不都合な真実」

By |2019-04-22T10:59:02+09:002018年1月21日|Categories: 中国越境EC|Tags: , , , , , , , |

はじめて自分の支付宝(Alipay)で買い物をしたとき、その快適さにとても感動しました。
たしか、7年くらい前だったと思いますが、とりわけアカウント開設のオフラインでの煩雑さに比べると、実際のオンラインでの利用があまりにもシンプルで簡便だったため、そのコントラストとギャップがいかにも中国的だと妙に感嘆した覚えがあります。

それ以前にも、おそらく2006年前後から、淘宝网(タオバオ)のサイトは頻繁に覗いて見ていました。iPhoneはまだ登場しておらず、誰もがパソコンでネットショッピングをするのが当たり前だった時代です。淘宝のあのオレンジ色の丸まった漢字三文字のロゴは、当時からまったく変わっていません。あのロゴが、eBayを打ち破り、eBayを中国から撤退させたのだと(唐突ですが)私は信じています。

中国のネット通販が成長することは多くの人が予想していました。しかし、2000年代の日本で「ネットで中国にモノを売る」という発想は、まだあまり真剣に考えられていなかったと思います。私自身も中国茶の輸入販売をしていて、中国は「仕入先」であり、中国人を「お客様」にする商売をしていたわけではありません。

先駆者はいました。多くは、日本に滞在している日本語の上手な中国籍のビジネスマンで、中国の富裕層向けに日本の高品質な商品を売ることを情熱的に語り、宣伝本を出版し、独自のサービスを立ちあげていました。いま、そのすべてが消えてしまったかどうかは知りませんが、発想そのものが間違っていたわけでは断じてなく、単に「早すぎた」ということなのかもしれません。私個人としては、現在の中国越境ECブームよりも、むしろ当時の彼らこそがホンモノだったのだ、と考えています。

実は、淘宝网の創始者であるアリババCEOの马云(ジャック・マー)も、日中間の越境ECでは一度「失敗」をしています。
2010年、淘宝はYahoo!JapanのYahoo!ショッピングと提携し、双方のプラットフォームの商品を国境を越えて相互に販売し始めました。中国では「淘日本」、日本では「Yahoo!チャイナモール」という名前でした。しかし、自動翻訳の精度の悪さ、送料関税の加算、領土問題の発生、震災後の放射能懸念などにより、2年足らずでこの提携サービスを終了させています。
(もし、この淘宝とYahoo!ショッピングの提携がつづいていれば、日本での中国越境ECの風景は、いまとは随分違っていたものになっていたはずです。)

その間も淘宝の中国本土での成長は止まるところを知りませんでした。淘宝商城としてスタートしたB2C版Taobao Mall(Tmall)は、2012年に天猫(Tian mao)と改名し、その年の11月11日に100億元の売上記録を建てます。そして、2016年の11月11日にはその10倍以上の1200億元(約2兆日本円)の売上を1日で達成しました。売上高はアリババの自社発表の数字なので透明性はありませんが、ものすごく大きなマーケットであることは確かです。

天猫と淘宝のプラットフォームはドメインも違い、基本的にはそれぞれ別のプラットフォームなのですが、バックエンドでのユーザーアカウントは共有されており、淘宝のアカウントでそのまま天猫の商品を購入することもできます。実際、淘宝からの商品検索では天猫出店の商品が上位表示されるようなアルゴになっており、アリババにとって収益性の高い天猫への誘導が積極的になされています。
天猫は、アリババに認証された法人のみ出店できるので、品質面での訴求は確かにしやすいのですが、実際には、最もボリュームの大きい中間層のユーザーにとって「天猫は高い」という印象があるので、天猫で欲しい商品が見つかっても淘宝のほうで同じ商品を探す傾向があります。また、淘宝店舗でのレヴューによる評価は数年以上の運営実績がないと繁盛店の証しにはなりませんが、天猫では出店直後から「売れている」感を演出できるので、出店企業にとってはプラスなのですが、消費者の視点からは「天猫だからと言って絶対に信用できるわけではない」という暗黙の判断も動くので、淘宝店舗が一方的に不利になっているわけではありません。
淘宝の出店料は基本無料ですが、天猫は契約出店になるので、天猫に出店しても次の契約更新条件をクリアできず、すぐに消えてしまう中国企業店舗が多いことも忘れるべきではありません。これは、天猫だけではなく、JD京東に関しても同じです。

日本法人は、天猫に出店するには中国法人を作り、該当するライセンスを取得しなければなりません。物流面では中国保税区へのコンテナ納品という流れになり、中国国内ではアリババ傘下グループの快递が受注後ドアツードアで配達してくれます。正攻法ですがハードルは高く、天猫出店だけのためにこれができる企業は限られてきます。
事実、アリババは天猫に出店できる外国企業を選別しており、日本法人のままであっても香港の天猫国際には出店申請することはできますが、やはりアリババの審査に通らなければなりません。

一方、これが最もハードルが低く、その気になれば誰でもチャレンジできるアプローチなのですが、法人ではなく、個人名義で淘宝网に出店する方法もあります。
淘宝に店を開くには、先ずは支付宝のアカウントを取得する必要があり、支付宝を使えるようにするには、中国の銀行に口座を開く必要があります。これは天猫であっても基本的には同じ仕組みで、つまり、天猫や淘宝に出店して売上があっても、それは支付宝と紐づけられた中国の銀行口座への出金となり、その売上を回収するには中国の銀行からお金を移動させなければなりません。特に、外国人個人名義の口座はインターネットバンキングでの両替や海外送金ができないので、中国内に信頼できるネットワークを持たない場合は、売上回収のために自ら中国へ出向いて銀行から現金引き出し(と両替)をしなければなりません。また、中国は外貨の持ち出しを制限しているので、金額面でも留意する必要があります。

支付宝(Alipay)は世界随一のフィンテックですが、仮想通貨とは違い、既存の銀行口座のバリューと紐づいて機能しているので、現状は為替や国境からフリーになっているわけではないのです。これは微信支付(WeChat Pay)に関しても同じで、本人認証は日本のクレジットカードでもできるのですが、実際にWeChatにチャージをするためには、中国の携帯番号でWeChatに登録し、WeChatのアカウントを中国の銀行口座(中国内で発行されたクレジットカード)と紐づけなければなりません。
中国のすべての銀行口座には各人の身分証番号が登録されていますので、事実上、中国国家は中国国民の消費行動の大半を一元管理できるビッグデータを保有しつつあることになります。

天猫も淘宝も、中国人が中国人のためにつくったECプラットフォームであり、中国人のルールに支配されています。
そこで外国人が商売をするということは、代金回収という首根っこの部分を「中国」に握られている状態になります。ある日突然なにか(その「なにか」が何なのかは分かりませんが)が起こり、それまで築いた网上店铺が砂上の粉塵に帰すかもしれません。

結局、中国越境EC界隈が、さながらゴールドラッシュのように運営代行サービスで活気づいているのは、このような中国という国に根ざした潜在的リスクが背景にあるからで、単に中国語ができないからとか、中国のネットビジネスがわからないから、とかではないと思います。代行業者を通して名義を借りたりすれば、中国特有の様々なリスクを緩和できるのは事実です。

化粧品が売れる、炊飯器が売れる、と言っても、資生堂の化粧品やタイガーの炊飯器をこれから個人レベルで転売しようとしても、おそらくは何の実りもありません。それは、それこそ2000年代後半から日本在住の中国人が淘宝で展開してきた代理購入商売であり、淘宝で「日本代购」などのワードで検索すると、「全球购」というカテゴリ下にすでに皇冠マークの優良店がキラ星の如く存在しています。
彼らはチームを組み、法人化し、仕入れを強化し、幾年もの競争を勝ち抜いてきた中国越境EC専属の歴戦の勇士です。中国の関税変更にも柔軟に対応する在庫管理能力があります。「日本直邮(日本から直送)」を謳い文句にしますが、商品によっては中国国内に在庫を持つネットワークも駆使します。また、日本の売れ筋商品を熟知しているだけでなく、自らの店舗を専門店化し、店長のキャラでユーザーの心を摑み、中国人の嗜好や流行に合わせて中国語のチャットで絶妙のセールスを行うことができます。最近では「直播」というライブストリーミングで、テレビレポーターのように店先で商品の説明を行い、リアルタイムで質問に答え、場合によっては試着などもして、しかもそのライブ中継を毎日延々とフルタイムワークで行い、驚くほどの売上をあげます。彼らにとってそれは自らの労働でなす業であり、一方、中国語のスキルのない日本人がそれと同等のサービスをするには、やはり代行業者に頼るしかなく、その段階でもう勝負はついています。

しかも、いまはC2Cは淘宝だけでなく、微店もあります。微店は微信(WeChat)アカウントと連携したスマホのアプリだけで構築/運営できるミニ通販で、中国ママ友の巣窟とも言えます。そのようなネットワークに入るのに、コンサルタントのアドバイスなどは無用の長物で、運営代行などあまりにも非合理です。パソコンのできない中国人ママが隙間時間にスマホでサクッと無料で完成させることを、日本の企業が大枚をはたいてああでもないこうでもないと暗中模索するのは、スタートラインの発想が間違っています。そもそも、WeChatストアのオフィシャル企業アカウントは、天猫出店と同じように、中国の法人格がないと開設できません。

インフルエンサーを利用した広告出稿などを委託しても、母集団が数億の言葉の海の中でどれだけのコンバージョンに結びつくのか、その効果を数字だけでなく、心理的な波及を逐一分析できる中国語の読解能力が自分(自社の従業員)にない限り、誰か人任せにするだけでは、なかなか次のステップへと繋がる手ごたえを得るのは難しいかもしれません。

とはいえ、何事もやってみなければ始まらないのは道理で、中国越境ECに関しても、中国語ができないからと言って何もしないというのでは、せっかくのチャンスを逃していることになります。特に、レアなオリジナルブランドを製造するメーカーにとっては、中国が好き嫌いに関わりなく、中国市場を意識しないわけにはいきません。网易考拉(Kaola)や小红书(Red)など、新しい越境ECプラットフォームも登場し、この市場がまだ成長の途上にあるのは間違いないでしょう。

私自身、日本人/日本法人にとって、これから中国越境ECに新規で参入するのに、まったく可能性がないと思っているわけでもありません。
正攻法で天猫に出店するのなら、日本のアリババalibaba.co.jpに問い合わせるのが一番です。出店条件をクリアできるのなら、とにかく運営代行を利用してでも反響を見るのは得策だと思います。あるいは、もし予算が許すなら、天猫運営のために中国人の従業員を新たに雇うべきです。
個人名義で淘宝に出店するのなら、先ずは淘宝网のサイトをしっかり研究することが大切です。(日本のIPアドレスから淘宝にアクセスすると、world.taobao.comの淘宝日本にリダイレクトされてしまうので、サイト左上のストアスイッチャーで「中国大陆」を選択し、中国大陸の中国人が見ているwww.taobao.comの本ストアを見るようにしてください。)

马云(ジャック・マー)は、事あるごとに「アリババは小さな会社のためにある、アリババの成功は小さな会社のおかげだ」という趣旨のことを口にしていますが、それは中国の小さな会社のことであり、日本の小さな会社は、そのアリババの天猫/天猫国際に出店することすらままならない状況です。いまも马云本来の思想が形なりにも生きているのは、天猫ではなく、淘宝网のほうなのかもしれません。

その上で、どのようなポジションであれば可能性があるのか、どのような攻め方であればリスクを軽減し、尚且つ将来的な成功が見込めそうなのかについて、淘宝や天猫というプラットフォームだけでなく、自社サイトの展開やMagentoの利用を絡めて、また別の記事で私の見解を書きたいと思います。