Magentoできるもん!:></head> タグの前にコードを追加 magento2

「Adobe Commerce Cloud」という製品名の意味するところ

By |2019-05-07T09:49:27+09:002019年4月24日|Categories: Magentoバージョン|Tags: , , |

1. Magento CEO Mark Lavelle氏の退任

先日、4月18日に、MagentoのCEO Mark Lavelle氏の退任が、Magentoの公式ブログと氏のTwitterで公表されました。

A Farewell Message from Mark Lavelle
https://magento.com/blog/magento-news/farewell-message-mark-lavelle

Magento CEO 退任

Mark Lavelle氏がどのような人物か知らなかったのですが、どうやら、元々はeBayの人で、Magentoの開発者ではなく、純粋にビジネスマンとして、と同時にMagentoコミュニティへの良き理解者として、MagentoがeBayから独立する前後で、MagentoのCEOに就任したようです。なので、Magento2.0のリリースから、昨年のAdobe買収に至る、激動期のMagentoを率いたことになります。
多くの人が突然の公表に驚いたようですが、中には想定していた人もいるようで、買収後の常道という受け止め方もされているようです。

私はこのニュースをTwitterで知ったのですが、驚きというよりも、上記ツイート ”I know the best is yet to come for Magento!”「Magentoのベストはまだ来ていない(これから来る)」という最後の一文の余韻に、何か胸騒ぎのようなものを感じました。アイロニーがあると裏読みしたのではなく、むしろ、悲哀のようなものが漂っていると感じたのです。

2. Adobe Commerce Cloudのリリース

Mark氏の退任に先立ち、Adobeは、すべてをCloudでマネージドした Experience Cloud 内の製品パッケージの一つとして、Commerce Cloud をリリースいたしました。
https://techcrunch.com/2019/03/26/adobe-launches-its-commerce-cloud-based-on-its-magento-acquisition/

Adobe USA – Adobe Commerce Cloud, part of Adobe Experience Cloud
https://www.adobe.com/commerce/magento.html

Adobe 日本 – Adobe Experience Cloudに統合されたMagento Commerce Cloud
https://www.adobe.com/jp/commerce/magento.html

このCommerce Cloudは、Magento2をベースにしていますが、Adobe Experience Cloud内の他の製品(Analytics、Marketing、Advertisingなど)と連携した、Adobe独自の製品としてCloud上で統合されています。
注目すべきは、AdobeのUSAサイトでは、すでに製品名から「Magento」の名が消えて、「Adobe Commerce Cloud」と名づけられ、ロゴもAdobeシリーズ寄りに一新されていることです。

Adobe Commerce Cloudリリース

ただ、この「Adobe Commerce Cloud」の名とロゴが使用されているのは、まだアメリカとカナダのサイトのみで、日本も含めて他の国のAdobeサイトでは、「Magento Commerce Cloud」の名とMagento2の従来のロゴが使われています。アメリカ/カナダのAdobeサイトでも、ImagineというMagentoのイベントのバナーが貼られているので、AdobeサイトからMagento要素が消えてしまった、というわけではありません。今後、全世界的に「Adobe Commerce Cloud」の製品名で統一されていくことになるのかも、現状では、傍目になんとも言えない状況です。

ただ、この一新された名とロゴの指し示していることは、AdobeのCloudサービスに統合された「Magento2」は、コード的な中身はMagentoベースだけれども、製品としては、もうすでにAdobe独自のものになっている、という歴然とした事実です。

昨年の記事 Adobe+Magentoはオープンソースであり得るのか にも書きましたが、AdobeによるMagentoの買収で懸念されていることは、Magento2のオープンソース(無料版)が閉じられてしまうことです。
これに対しては、Adobeの開発もオープンソース化している面もあり、Adobe自身がMagentoのコミュニティに価値を見出した上での「買収」であるから、その中心にあるオープンソースの唐突なシャットダウンは考えられない、というのが一般的な見解です。

楽観的な見通しは、AdobeのCloud製品とMagento2のオープンソース版が永続的に共存し、オープンソースがCloud製品への集客としても効果的にワークするような状態です。(PhotoshopとPhotoshop Elementsのような関係を想像してもいいかもしれません。)

Magentoには素晴らしいコミュニティがあります。それは、Ecosystemとも言われていますが、Magento社、開発者、ベンダー、サードパーティー、エンドユーザー、それぞれがこのコミュニティの中で役割を果たし、それぞれが利益を享受できる、理想的な相互関係です。私も、一ユーザーとして、MagentoのEcosystemが存続してほしいと願っています。

しかし、Adobeには、Adobe独自のEcosystemが存在しています。
買収という事実を踏まえ、ニュートラルに考えれば、Magentoの既存のEcosystem(パートナー会社)は、AdobeのEcosystem内に、必要に応じて段階的に(もしくは選択的に)統一されていくのではないだろうか、という予想が自然と成り立ちます。

果たして、そうなった時、Magento2のオープンソースがどうなるのか、今のところ、全く予断ができません。

確実に言えるのは、Adobeは株主のいるバリバリの営利企業であり、$1.68ビリオンで買収したMagentoに、しっかり利益を出してもらわなければならない、そうでないと困る、ということです。

ある意味、「Adobe Commerce Cloud」は、Magento3とも呼ぶべき存在です。
これは、「Magento」という名の消えたMagento3の原型であり、すでに閉じられた環境へとシフトしつつあると見ることもできます。

3. Magentoの2020年問題

Magento2のオープンソースの行き末を考える時、参考になるのは、今まさに現在進行形であるMagento1の終わり方です。

Magento1系のサポート期限は、2020年6月までとアナウンスされています。もともと、2018年11月までの期限とされていましたが、2020年に延長されました(ご参考:Magento1.9のサポート期限が延長されました)。そして、どうやら、今回は本当に2020年の6月で、Magento1系の公式サポートは打ち切られると予想されます。

Magento1ユーザーは、Magento2への移行か、他のECプラットフォームへの移転を計画する時期なのですが、一方で、Magento1を使いつづけるという選択肢もあります。それは、Magentoのコミュニティで継続されるサポートサービスを利用する方法で、私の知っている限りでは、すでに以下の二つのポータルがあります。

Mage1 Long Term Support Magento 1.9.x after 2020
https://mage-one.com/

OpenMage Magento Long Term Support
https://openmage.github.io/magento-lts/

公式サポートも延長され、その後もコミュニティからのサポートポータルが立ち上がる。Magento1は、とても恵まれたプラットフォームで、これは、ひとえに、Magento1のユーザーが多いからこその結果と言えます。
Magentoのシェアはここ数年で減少していますが、現在もMagentoユーザーの全体のうち、80%〜90%が、依然としてMagento1系を使っていると推計されています。

ECプラットフォーム シェア

上の図は、BuitWithという調査サイトでの、ECプラットフォーム別の世界シェアを示したグラフです。アクセス数のTop1ミリオンサイトから、ECサイトのみを抽出し、(おそらくコードから)プラットフォームを自動判別した推計データです。
2019年4月現在、1位がWooCommerce(WordPress)22%、2位がShopify 18%、3位がMagento 12%となっています。

AheadworksというMagentoベンダーが、やはりTop1ミリオンサイトを基準に2015年10月に調査したデータでは、Magentoオープンソース+MagentoEE(有償版)は、合計で30%を超え、当時、世界シェアNo.1でした。
https://www.aheadworks.com/blog/ecommerce-platforms-popularity-october-2015-top-five-solutions-take-three-quarters-of-the-market/

調査条件や手法がすっかり同じではないと思うので、純粋に比較するのは難しいのですが、Magentoは、Magento2をリリース以降、その世界シェアを30%台から12%に大きく後退させたことになります。
しかも、現在のMagento利用者のうち、8-9割がMagento1系の残存組なので、2020年6月でサポートの切れる1系を除いて、仮にMagento2系ユーザーだけでMagentoの世界シェアを推計すると、向後1年の伸びを考慮したとしても、わずか1%〜2%ほどしかないという数字が導き出せます。

これは、Magentoの2020年問題ともいうべき大問題です。

ユーザーのいない(少ない)Magento2が、数年後どうなるのか。Magento1のような長期のサポート環境が確保されるのか。
2020年以降、Magento1系から2系への移行特需がなくなった後も、AdobeにとってMagentoコミュニティ全体が「価値あるもの」と映るのか。
Magento/Adobe社は、将来の影響を最小限にとどめるため、意図的にオープンソースのユーザーを減らそうとしているのではないか。

Magento2を導入する場合には、このような視点からもその是非を検討する必要があります。
あるいは、そもそもの初めから、Adobe Cloudの有償製品のみを、今後の「Magento」の第一選択肢として考えるべきなのかもしれません。

もちろん、これは私の個人的な見方で、必ずこのような方法へ向かうと確信しているわけでもありません。Magentoの将来には、様々なバリエーションが想定されると思います。

ただ、Mark Lavelle氏の退任と、「Adobe Commerce Cloud」という製品名を同時に思う時、オープンソースとしてのMagento2の未来は、100%視界良好と言うわけにはいかないと、そういう感慨を抱いています。

追記(2019年5月4日):
Adobe社でMagento2のAdobe製品への統合をしている開発者のPeter Sheldon氏は、Jamersanホストのインタビューで、Magentoのオープンソースは継続(27-31分あたり)、また、オープンソースは小規模のストア運営者向けに(1時間10-13分あたり)、という趣旨の発言をしています。(*あくまでも現段階でのAdobeの広報的なニュアンスもあるかと思いますが。)
Adobe Commerce Cloudは、方向性としては完全に大規模エンタープライズ向けで、Salesforce Commerceや、Oracle ATG、IBM WebSphereとの競合を意識しているようです。

Magento2.3管理画面の無料デモを公開!

By |2019-04-13T15:33:34+09:002019年1月26日|Categories: Magentoの設定, Magentoバージョン, Magentoテーマ|Tags: , , , |

1. Magento2系最新バージョンの管理画面デモ

以前よりリクエストのあったMagento2管理画面のデモを一般公開しました。
こちらのリンクより、Magento2 管理画面(Backend)のログイン画面にアクセスできます。管理画面の中に入るには、以下の画像のログイン情報をご利用ください。

Magento2 管理画面 無料デモ(こちらからログイン)>>

Magento2管理画面ログアウト

管理画面からログアウトをするには、画面右上のアカウントアイコンの▼マークをクリックすると、プルダウンが開きますので、そこから「Sign Out」をクリックしてください。

また、こちらの管理画面内で編集作業をすると、FrontendのMagento2デモLumaテーマの表のサイトに直接反映されますので、どうぞご留意ください。もちろん変更や編集をしていただいて構いませんが、次にアクセスされる方のために、できるだけ元に戻しておいていただけますと大変ありがたいです。
尚、一部機能には制限をさせていただいておりますので、どうぞご了承ください。
サイトのどこかに不具合があったり、レイアウトがガタガタに崩れていたりしましたら、お問い合わせよりご一報をいただくか、Magentoフォーラムにてご投稿いただけますと助かります。

Magento2管理画面

Backend(管理画面)

Magento2デモ Lumaテーマ

Frontend(表のサイト)

2019年1月現在、このデモサイトは、Magento2系の最新バージョン、2.3.0をインストールしています。画面のインターフェイスは、2.2系から大きく変化はしておらず、2.3系の目玉であるPWA Studio(PWAストア開発ツール)は本体に同梱はされていません。Page Builderについては、2.3.1バージョンから有料のCommerce版に先行搭載されています。
今後も公式のアップデートがありましたら、このデモサイトも随時アップデートをしていく予定です。(*)

Magento2がどんなものか興味がある、とりあえず管理画面を見てみたい、すこしだけ触ってみたい、そんなニーズにお応えするために、管理画面デモを公開しました。ぜひ実際にログインして、中を見て、Magento2がどんなものかをご確認ください。

2. Ultimoテーマのデモサイトアップデート

また、Magentoデモのページでもご案内しているUltimoテーマも、デモサイトを2.3系にアップデートしました。
マルチストアも、English、简体中文、繁体中文の、3ストアビューの構成に変更し、それぞれ異なるUltimoテンプレートをインポートしています。右上の言語スイッチャーからストアの切り換えができ、3つのサブドメインで表示されます。どのストアも、中身はほぼLumaテーマのサンプルサイトのままで、骨組のみを設定し、細かい部分は編集していません。
中国語ストアも、コンテンツは英語のままですので、言語ロケールをインストールすると、どの部分が翻訳に反映されのるか一目瞭然になっております。

Magento2 Ultimoテーマデモ English
Magento2 Ultimoテーマデモ English(公開終了)
Magento2 Ultimoテーマデモ 中国語(簡体字)
Magento2 Ultimoテーマデモ 中国語・簡体字(公開終了)
Magento2 Ultimoテーマデモ 中国語(繁体字)
Magento2 Ultimoテーマデモ 中国語・繁体字(公開終了)

今回のデモサイトのアップデートで、Magento1.9系のMadison Islandサンプルテーマは公開を終了させていただきました。
また、Magentoテーマにてご紹介している、FastestテーマやClaueテーマも、デモサイトは公開終了としました。Portoテーマにつきましては、機会を見て、最新バージョンのデモサイトを設定し直す予定です。

追記(2019年2月25日):
Portoテーマの新しいデモサイト(Magento2.3)も公開しました。Magentoデモにてご確認ください。

* 追記(2019年3月29日):
LumaテーマとUltimoテーマのデモサイトを、2.3.0→2.3.1にアップデートいたしました。

追記(2019年4月13日):
UltimoテーマとPortoテーマのデモサイトは、公開を終了とさせていただきました。

Magento2 コマンド集

By |2019-06-23T10:30:59+09:002018年8月31日|Categories: Magento2コマンド|Tags: , , |

Magento2でよく使うコマンドまとめ

Magento2では、SSHアクセスによりCLI(コマンドラインインターフェイス)での作業が推奨されています。
このページでは、Magento2でよく使うコマンドについてまとめました。

自分でよく使うコマンドは、備忘録としてメモ帳などに保存しておいてもいいでしょう。
特に、一度実際に自分で作業したコマンドは、忘れずにメモしておくと便利です。

できる限り意味を理解しておいたほうが覚えやすいのですが、コマンドそのものを暗記する必要はありません。
はじめはコピペでいいので、徐々に慣れるようにしてください。

*コマンドは折々増やしていきます。

Setupアップグレード
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Magento2のデータベースをアップデートするコマンドです。テーマやエクステンションのインストール後、Magento2のアップグレード後などに使います。

Compilerの実行
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Magento2のCompilerを実行するコマンドで、アプリケーションのコードやエリア設定などのコードを生成します。上記Setupアップグレードのコマンドの後に使うことが多いです。

静的ファイルの展開
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静的ファイル(Static files)を展開するコマンドで、Magento2がProductionモード時には必須となります。上記compileのコマンドの後に使うことが多いです。このコマンドでは、デフォルトのen_USストアのファイルが対象になります。(en_USの言語コードは省略されます。)
deployでメモリ不足のエラーが出てしまった場合は、このコマンドに、-dmemory_limit という属性を入れることで、メモリを指定することもできます。(-dmemory_limit=-1 だと最大限になります。)

静的ファイルの展開(日本語ストア)
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日本語ストアの静的ファイル(Static files)を展開するコマンドで、コマンドの最後にja_JPと日本語の言語コードを追加します。日本語ストアを設定してる場合のみ必要なコマンドです。

Indexの実行
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Magento2ではカテゴリや商品を新規登録した後、indexerを動かす必要があります。Cronで動く設定にもできますが、上記コマンドで手動でindexさせることができます。

Cacheのクリア
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Magento2の管理画面からもできますが、コマンドでも上記二つによりCacheのクリア、開放をすることができます。管理画面に入れない不具合にあった時などは、必須のコマンドです。

Magento2のモード確認
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作業中のMagento2のモードを確認することができます。default、developer、production mode のうち、いずれかの回答があります。

developerモードへの変更
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上記コマンドで、作業中のMagento2を、developerモードに変更することができます。

productionモードへの変更
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上記コマンドで、作業中のMagento2を、productionモードに変更することができます。二つ目のオプション付きのコマンドでは、Command returned non-zero exit code などのエラー時に、メモリー消費を回避してモード変更を実施することができます。この場合、モード変更後にコマンドで静的ファイルを生成します。

メンテナンスモード
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上記コマンドで、Magento2をメンテナンスモードにしたり、メンテナンスモードを解除することができます。

Composerのインストール
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作業環境がVPSやCloudの場合は、mvコマンドで、Composerファイルをグローバルに実行できる配置に移動します。

ComposerでのMagento2ファイルのダウンロード
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=2.3.2 等と、上記コマンドの末尾にバージョン数の指定を追記することもできます。

Composerのキャッシュをクリア
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Composerによるファイルダウンロード時のエラー回避として、事前にComposerのキャッシュをクリアする方法があります。

Composerそのもののアップデート
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Composerそのもののバージョンをアップデートするコマンドです。

Adobe+Magentoは、オープンソースであり得るのか?

By |2018-09-13T18:48:03+09:002018年5月23日|Categories: Magentoバージョン|Tags: , , |

1. AdobeがMagentoを買収

2018年5月22日、AdobeがMagentoを買収するというニュースが流れました。

Adobe acquires ecommerce CMS Magento for $1.68 billion
https://thenextweb.com/insider/2018/05/22/adobe-acquires-ecommerce-cms-magento-for-1-68-billion/

Adobe、Magento、双方とも公式ブログでの表明もあり、具体的なプランについては触れられてはいませんが、アナウンスによると、現状のAdobe Experience Cloudのサービス内にMagentoが導入されることになるようです。Experience Cloudの内容は、日本のAdobeのページを見ると日本語で読めるので、イメージがつかみやすいです。

ここからすぐに連想するのは、Magento Enterprise Cloud Edition(有料)が、そのままAdobe Experience Cloudに移行するのではないか、ということです。CloudのないMagento Enterprise Editon(有料)の顧客についても、やはりAdobeのサービス内に段階的に統合されていくのではないかと想像します。(あくまで私の個人的な予想です。)

問題は、Magento Community Editionの、無料のオープンスース版です。
MagentoがAdobeに買収されてしまったら、オープンソースのMagento(無料)を使うことができなくなってしまうのではないか、という懸念があります。
なにせ、Adobeはクローズドなソフトのライセンス料を主な収益としてきた会社であり、その意味では、Magento社とは水と油のような関係です。

上のニュース記事でもこの点について触れていて、この記事では、比較的楽観的にコメントされています。

AdobeがMagentoオープンスースを変えるか

曰く、”Adobeには、開発者や運営者が無料で使えるいまのMagentoのあり方を変える計画があるかもしれない。しかし、この点に関しての詳細は、買収手続きの完了後に公表するとAdobeは言っている。実際、Adobeには、Adobe XDなどの無料で使えるサービスも登場している。そう考えるなら、Magentoオープンソースが生き残る道はあるだろう。”

これも、この記事を書いた人の予想、憶測の範囲かもしれませんが、当面の方向性としては、この可能性は決して小さくないのではないかと思います。

2. Magentoはいつまでオープンソースとして使えるか

プレスリリースの発表後まもなく(というか、ほぼ同時に)、Adobeブログ内に重要な記事がアップされました。

Doubling down on Adobe’s open platform vision with Magento
https://theblog.adobe.com/doubling-down-on-adobes-open-platform-vision-with-magento/

Matt Asay 氏という、Adobe開発チームの人の書いた記事で、買収ニュースにより、Magentoコミュニティーからあがる疑問や懸念に対して、先取り的に回答しています。なので、これは、かなり入念に準備されて書かれた原稿であると思われます。

この中で一番目を引いたのが、

The point is: open source is in our DNA. We know that the key to getting value from open source is by giving value through contribution to and collaboration with these active developer communities. We’re excited to do much, much more with Magento.

この一節です。

“オープンソースは、AdobeのDNAに組み込まれている。開発者コミュニティーにおいて、相互に貢献し、共同作業をし、価値を分け合うこと。このことにこそオープンソースの意義がある。Adobeは、Magentoコミュニティーとの共同作業ができることに、とても、とても、エキサイトしている。”

Matt氏は、Adobeのサービスの多くがオープンソースに依存しており、いまやGitHubにも何人ものAdobeの開発者を見つけることができる。なので、AdobeがMagentoのオープンソースとしての価値を否定することはないと強調しています。むしろ、Adobeは、Magentoコミュニティーの一員になったのだいう切り口で、「買収」という主従関係を棚上げにさえしています。

Twitterでは、Matt氏は、様々な質問にざっくばらんに回答しています。

Magentoコミュニティーについて

「Adobeは、Magento単体というよりも、むしろ、オープンソースの強味を必要としている。
これはこれからも継続し、成長し、広がっていくものだ。」

Magentoコミュニティーについて

Q「Magentoは、これからも長い間、オープンソースであり続ける?」
A「10,000年を、その”長い間”としてカウントしていいかな。」

もちろん、これらのMatt氏の言葉を、買収による一時的混乱を避けるためのAdobeの広報、と捉えることもできるかもしれません。実際、詳細なプランはこれから検討協議されるはずであり、一定期間の後に、AdobeがMagentoをクローズにしてしまう可能性を完全に払しょくすることはできません。Adobeが内々にMagento3/MagentoCCを開発する可能性も無きにしも非ずなのです。

ただ、現行Magentoのコードは、その25%ほどがコミュニティーの貢献により組み込まれたものと言われており、Magentoの魅力を支えているエクステンションにしても、ほぼすべてがパートナー会社、ベンダー、エージェントによる開発です。
MagentoがMagentoであるのは、Magentoのコミュニティーが存在するからであり、オープンソースとしてのアクセスを遮断すれば、MagentoはMagentoではなくなってしまうに違いありません。

例えば、Magentoと同様に多言語多通貨のECプラットフォームとして、PrstaShopというアプリケーションがありますが、PrestaShopにも、オープンソース版とCloud版があり、両者は共存しています。
アプリケーション開発の一部をコミュニティーに委ねることで、企業としてはコスト削減と同時に、プラグイン/モジュール等で商品価値も高めているわけであり、ビジネスモデルとして十分に機能しているのだと言えます。

もし数年後のAdobeが、このようなモデルはワークしないと判断し、唐突に戦略を変更するとしたら、Magentoコミュニティーからの反発は避けられず、端的にM&Aの失敗ということになり兼ねません。

Magentoのパートナー会社は全世界に数千あると言われており、数万、数十万の開発者がMagentoに関わっています。
いくらAdobeでも、そのすべてを「買収」することはできません。
なので、当面は、Matt氏の上記の言葉を素直に受けとめておいていいのではないかと思います。

前回の記事、Magento1.9と2.xの各バージョンのサポート期限についてでは、今夏~今秋にリリース予定のMagento2.3のサポート期限を、2020年秋頃と予想しましたが、最悪でも、その時期までは、Magento2.3のオープンソースは、無料で使いつづけることができるだろうと考えます。既にリリースの決まっているバージョンのサポートを、途中で打ち切るようなことは、どのような条件下でも考えづらいからです。

では、その後はどうなるのか?
いまのところ、なんとも分からない、というのが実情ではないでしょうか?

将来的に、仮に Adobe Magento CC のような安定バージョンが月額数千円で利用できるなら、それはそれでハッピーなことかもしれません。
ただ、その場合も、周到なスケジュールの下で徐々に流れを作っていくと思うので、現在のMagentoコミュニティーが突如消滅するようなことはないだろうと思います。

Adobe+Magentoの方向性について、また新しい情報が入りましたら、追々このブログにてご紹介いたします。

Magento2は本当に使えるのか?

By |2019-05-29T11:11:46+09:002017年12月15日|Categories: あいさつ, Magentoの設定, Magentoバージョン, 中国越境EC|Tags: , , |

結論から言うと、もう少し待つべき、です。

Magento2系は、2015年11月に2.0.0がリリースされ、先日2017年12月14日の段階で、2.2.2までバージョンが更新されました。
初リリースから2年を経て、バグや不具合の修正はだいぶ進んだと言われていますが、それでも、まだ基本機能にさえ様々なバグがあると報告されています。

たしかにMagento2のインターフェイスの改善は素晴らしく、管理画面の見やすさは明らかに向上しました。
しかし、JavaScriptを多用しているためか、オンラインストアの生命線ともいうべきチェックアウト(カート画面)の読み込みが重く、Magento社の公式案内のスペックを満たしている環境下でも、Magento2のカート画面がサクサク動くという保証はありません。
新規サイトでアクセスが限られているストアであればともかく、現実的に一定のアクセスのあるフルライブ環境での実用を考えると、特にスマートフォンでの表示スピードに関しては、有料のエクステンションを入れて補強するか、あるいは相当なスペックのサーバー環境で構築する必要があるのではないかと思います。

いままでのMagento1系は、通常のシェアサーバーでも安定して動き、その導入の容易さから、小規模のストアでも世界中で数多く利用されてきました。利用者が多いのでMagentoベンダーも増え、それが結果的にたくさんのフィードバックを生み、速やかなバグ修正や機能向上に結びついてきました。
しかし、Magento2系においては、Magento社の戦略かどうかは不明ですが、どちらかと言うと、大規模ストアを前提に開発が進められているという印象があります。それは、Magento2の利用において、CLI(コマンドラインインターフェイス)での操作が推奨されている現状とも無縁ではありません。

Magento2のストアにテーマやエクステンションを新しくインストールすると、その度にSSHアクセスをして、黒い画面を開き、コマンド作業でMagentoのファイルを展開しなければならないのです。コマンドそのものはよく使ういつくかを丸暗記のように覚えればいいのですが、プログラミングに無縁の素人にとっては、これほど億劫なことはありません。(コマンド作業の例は、Magentoテーマの動画をご参照ください。)

しかも、Magento2では、エクステンションのインストールにComposerを使う方法もスタンダードになっていて、これは、コマンド初心者にはかなりハードルが高いと言えます。Composerは、PHPで作成されたファイルをローカル(自分のパソコン)に落とさずに、直接ネット上でファイルを引っ張ってきてダウンロード/インストールするためのプログラムです(と、とりあえず私はそう理解しています)。はじめてComposerの存在を知り、そのサイトを訪れた時、ベートーベンの厳つい顔のイラストが目に飛びこんできて、かなり面喰ったのを憶えています。なんだ、これは、と。

https://getcomposer.org/

思えば、Magento1系においては、Magento Connectを使うことで、画面上の操作だけでエクステンションをインストールすることができました。WordPressのようにクリックするだけでプラグインのインストールが完了するほどの爽快感はありませんが、それでも気軽にエクステンションのインストールを行い、ストア機能を拡張させることができました。
ところが、Magento2系においては、Magento Connectを引き継ぐMagento Marketplaceが、いまだベータ版のような状況で、エクステンションのストックも豊富ではありません。管理画面のSystem > Web Setup Wizardと連携して、Marketplaceで購入したエクステンションを画面上の操作だけでインストールできるように設計されていますが、環境により不具合も多く、安定して使えるようになるまでは、もうしばらく時間がかかりそうです。
また、Setup Wizardは、操作画面上からMagento2のアップデートもできるようになっています。しかし、これも失敗すると既存ファイルを消してしまい、ストア全体を壊してしまう不具合も報告されているので、注意が必要です。

一般のストア運営者は、デザインをいじったりコンテンツを更新するだけでなく、受注処理をすることに日々のパワーを使います。なので、管理画面の使い勝手や更新のやり易さが、プラットフォームの必要条件です。
しかし、Magento2は、お世辞にも使い勝手が良いとは言えません。もちろん、これは将来的には徐々に洗練化されると思いますが、今までのところ、むしろ、一般の運営者を遠ざけるかのように、わざと導入を難しくしているのではないかと勘繰りたくなるようなこともあります。つまり、サイト構築やサーバー管理を外注するような、ある程度の予算のある中規模以上のサイトを平均的利用者として想定しているのではないかと思わせる節があります。

もっと言うと、Magento社は、無料のオープンソース(CE版)の普及はそこそこにしておいて、エンタープライズ(EE版/ECE版)の契約をとれればいい、と割り切っているのかもしれません。
ちなみに、EE版の年間契約は日本円で約250万円~、ECE版(EE版+AWS Cloud)の年間契約は約450万円~と言われています。

実際、Magento2がリリースされた前後から、Magentoのシェアが増えたという話を聞いたことはありません。

サーバーインストール型のECアプリケーションとしては、WordPress+WooCommerceが高機能化したり、Magentoと同様に多言語多通貨対応のPrestashopなどの人気が上昇しました。また、ASPサービスとしては、Shopifyの存在感が圧倒的なものになりました。
Magento1系の公式サポートが2018年秋までと言われ、にもかかわらず、Magento2はまだ不安定で動かせないとなれば、よほどのMagentoマニアでない限り、Magento1系の運営者が他のサービスへの乗り換えを検討するのは自然なことです。Magento社が、このような流れを予想しなかったわけはありません。私の知人にも、Magento1.9からShopifyへ移転した人がいます。
Shopifyは一つのアカウントで多言語ストアの構築はできませんが、多通貨決済には対応しているので、単一言語(特に英語)のサイトを運営するのなら、実のところShopifyで必要十分なのです。

まして、日本人ターゲットの日本語のECサイトを構築するのなら、日本人の感性にマッチしているEC-CUBEやショップサーブなどを優先して使うべきです。スタートアップの日本語サイトが、わざわざ時間とお金と手間をかけてMagento2を選択しなければならないような理由は、私には思いつきません。もちろん、自らMagento構築のできるサイト運営者が、維持費削減のためにMagentoを使う例はあるかもしれません。あるいは、中規模~大規模のサイト運営者が、Magento2の高機能に魅かれて既存のプラットフォームからの移転を検討する例もあるかもしれません。しかし、その場合も、しっかり運営を継続していくためには、フロントエンドのデザイン内にchildテーマを作成し、日本人向けに相当カスタマイズする必要があると思います。Magento/Magento2のインターフェイスは、平均的な日本人にとって、決して馴染みやすいものではないからです。

Magentoが真に活きるのは、例えば香港のサーバーに英語デフォルトで構築し、同じストアを中国語(繁体字)で表示、さらに大陸の中国人もターゲットに含めるために普通話(簡体字)でも表示する、というケースです。この場合、決済通貨は香港ドルと人民元の2本建てとし、簡体字/人民元ストアは香港ドルのストアとは別ストアあるいは別サイトとして設定する、というマルチストア構成になります。

あるいは、東南アジアのマレーシアなどは多民族国家で、マレー語、英語、中国語が標準語として使われています。そのような地域をターゲットとする場合、同じストアを複数の言語ストアビューで表示し、ストアとしては統一します。そして、隣りのシンガポールもターゲットにするため、マレーシアのストアの商品内容(英語のストアビュー)はシェアするが、デフォルト通貨をシンガポールドルで決済できるように別サイトで構築する、というように、文字通りの意味での多言語多通貨のマルチストア構成を、一つのMagentoインストールで実現することになります。

Magentoは、日本で、越境ECサイトの王道と言われています。それは正しいのですが、使いこなすのは容易なことではありません。中国語圏向けの越境ECにポテンシャルがあると言われているのに、一方で、その越境ECの「王道」Magentoの基礎言語が英語であるということの矛盾は、ほとんど顧慮されていません。つまり、英語も中国語もそこそこできて、尚且つMagentoも使えなければ、中国語のMagentoストアを構築することはできないのです。(当たり前と言えば当たり前の話なのですが。)

構築も運営も外注してしまうと、コスト的に割に合わないような小規模サイトの運営者は、どうすればいいのでしょうか。自力で勉強してMagentoサイトを作るとなると、お金はさほどかかりませんが、膨大な時間が必要とされます。海外サーバーであれば、Magentoのインストールは1クリックでできますが、その後の作り込みや運営は、やはり一筋縄ではいきません。

そもそも本当にMagentoが必要なのか、という視点でプラットフォームの選択を再考してみるのもいいかもしれません。
Magentoは、サイト運営者にとって、目的ではなく、手段の一つです。自分のストア展開にとってMagentoの他にベターな選択肢があるのなら、そちらを選ぶべきです。
それでも、ASPのような制約のあるプラットフォームではなく、自由にサイト構築をできるMagentoのほうがいい、多言語構成を最小のコストで実現したい、越境ECサイトだからMagentoの世界標準のインターフェイスがほしい、というケースは多いと思います。立ちあげで苦労しても、ASPで発生する永続的なコミッションを考えれば、Magentoのある種の難解さは、イニシャルコストとして十分にペイする、という見解もあると思います。また、開発環境が世界規模なので、新しいECのトレンドをいち早く取り込むこともできます。

当サイト「Magentoできるもん」は、とりあえずこれだけを押さえればMagentoサイトを構築することができる、という趣旨で公開していますので、できる限りのアウトプットをし、今後コンテンツの充実をはかりたいと考えています。

Magentoデモ・導入事例のページで紹介しているZENVAVAというライブ環境のサイトがあるのですが、これは、2016年初頭に、1年ほどの準備期間を経て、Magento1.9でオープンしました。
実は、このZENVAVAサイトを、いま、Magento2.2へ移行しようとしています。

この1.9→2.2の移行作業については、目下のことろ、2.2.でCSVの商品一括データをインポートできない(エラー回避できない)、複数選択商品の在庫の有無がConfigurable Swatchesにきちんと反映されない、等のバグがあり、いささか途方に暮れています(*)。
1.9のSQLデータは、Magento社の公開しているMigration Toolで移行できたのですが、商品詳細の変更箇所などCSVで対応しようと予定していたことができず、結局手作業で編集しています。

つくづく思うのですが、Magentoの本当に面倒なところは、なにか不具合が発生した時に、それが自分の作業のミスなのか、サーバー側の設定に問題があるのか、あるいはサードパーティーのテーマ/エクステンションとの兼ね合いに齟齬があるのか、それともMagento本体のコードにそもそもバグがあるのか、すぐには分からないことです。上記のケースも、検索してみてると複数の人が同じようなトラブルを報告していて、且つ一様に解決していないので、それらの情報の最大公約数的なところを総合して、「たぶん、これはMagento2のバグなのだろう」と暫定的に結論づけています。

おそらく動いてくれるだろう、という感触はあります。
しかし、もしお急ぎでないのなら、Magento2系は、あと半年くらい、2018年初夏くらいまで待つのがいいのではないか、というのが私の個人的な感想です。
(もっとも、新規の立ちあげには時間がかかりますので、Magento2でサイト構築をスタートするには、今がちょうどいい頃合いとも言えます。)

Magentoのエクステンションを販売している海外の開発者も、自らのエクステンション販売サイトは、未だMagento1.9のままの人が多いです。Magento2のエクステンションを、Magento1.9のストアで販売しているのです。

彼らのストアがMagento2へ移行する時、その時こそ ”機は熟した” と見るべきかもしれません。

(*)Configurable Swatchesの表示バグは、ここここで論じられています。
2016年8月に報告されているバグが、2017年12月現在も解決されておらず、第三者モジュールmjankiewicz/MagentoConfigurableProductを入れないと修正されません。2.1.xでこの修正がコアに回収されたようですが、2.2.xから同じバグが再現されているようです。

追記(2017年12月末)
ZENVAVAサイトのMagento2への移行は完了しましたが、同上モジュールの採用は見送り、コア修正を次のアップデートまで待つことにしました。いかなる理由であれ、Magentoのコアコードに手を入れてはならない、というのが鉄則だからです。表示の改善は必要ですが、在庫有り商品の受注には影響は出ていません。

追記(2018年7月)
Magento2.2.5へのアップデートにより、上記バグは解消いたしました。

運営者あいさつ

By |2019-02-28T11:24:08+09:002017年10月15日|Categories: あいさつ, 中国越境EC|Tags: , |

こんにちは。

世にあまたある「できるもん」系サイトにお越しいただき、ありがとうございます。
第一香貿易合同会社の小林と申します。
基本的に、お茶屋です。

2006年に中国茶の通販店「中国茶の清香花楼」を中国人妻とはじめました。
リピートのお客様もついてくださり、楽しかったのですが、8年目で、諸事情によりお茶を休業することになりました。
そこで、休業中に、中国から世界へ発送という逆越境ECの「ZENVAVA-Zen Fashion」というサイトをオープンしました。
これは、Magentoをベースにストア構築をしました。

Magentoストアの立ちあげにあたっては、日本語で得られるMagentoの情報が少なく、苦労しました。
壁にぶつかった時、それを突破する糸口を与えてくれたのは、Magentoの英語フォーラムでした。
フォーラムでの様々な人のやりとりを読み、同じように自分でトライをしました。
すぐに解決することもあれば、どこに問題があるのかも分からず、ただ時間が過ぎるだけの日もありました。
それでもまた検索し、ひたすらフォーラムの記事を読みました。
自分で質問をし、誰からかの回答を待つこともありました。
問題が解決した時の喜びは、自分の店の商品が売れた時と同じように、とても大きなものでした。
そうして、一つひとつ、壁を乗り越え、なんとかオープンに至りました。

もちろん、ECサイトというものは、オープンできて成功というわけではありません。
集客、販促、発送から、顧客対応、品質管理、仕入交渉、資材購入まで、ほとんど商社のような機能を芥子粒ほどのサイズでやり繰りすることになります。
しかも、日々の運営で課題は増え、とりわけネットの向こう側の声なき声に耳を傾けねばなりません。
越境ECであれば、尚更その課題は複雑なものに思われます。

しかし、幸いにも、Magentoは世界中で広く利用されています。
それは、プラットフォームとして、そのシステムやインターフェイスに普遍性があるということです。
Magentoをベースとすれば、国境を意識することなく、モノとお金と情報を巡回させることができます。
つまり、より大きな意味において、売り手と買い手が、共通の言語で会話をすることができるのです。
英語圏の越境ECであれば、eBayやAmazonに出店するのもいいかもしれません。
ただ、より自由度の高いオリジナルな展開を志向するなら、自社の独自サイトになります。
そして、Magentoは、日本人にとっても、越境EC自社サイトのベースとして、第一選択肢になります。

私は、Webデザイナーや開発者ではありません。
それでも、ネット上の情報を整理することで、なんとかMagentoストアを構築することができました。
特に、Magentoの英語フォーラムで得られた知見はとても貴重なものでした。
その経験から、日本語でも同じようなサイトがあればいいと思い、この「Magentoできるもん!」を公開した次第です。

Magentoは、オープンソースとして、誰でも無料で利用をはじめることのできるECプラットフォームです。
そのため、スタートアップの小規模サイトが、コストを抑えてサイトを構築し、ストアをオープンすることができます。
運営が軌道に乗り、アクセスが増えてきたら、エクステンションを追加したり、サーバープランをアップグレードしたりします。
Magentoのポテンシャルは高いので、たとえ個人の規模で立ちあげても、将来的なストアの拡張性は無限大です。

わからないことは、どうぞフォーラムで質問をしてください。
あなたがわからないことは、きっと、別の誰かもわからないことです。
その問題をネット上で共有し、解決のプロセスを日本語で読めるようにすることが、当サイトの目標です。

また、当サイトでは、海外サーバーやテンプレート頒布など、英語圏でメジャーなサービスを紹介しています。
これは、越境ECとしてSEO的に有利だからというのが主な理由なのですが、それと同時に、もう一つ重要な側面があります。
それは、海外サービスを利用することで、自分の中に無意識的に根づいている日本的サービスの固定観念から抜け出すことができるというメリットです。
外国語の渦中に自らのビジネス環境を投入することで、自分自身が、いつの間にか海外のお客様の視線に近づくことができるのです。

越境ECは、インバウンド消費とは違い、あくまでも「海外進出」のひとつの形であり、アウェイでの戦いです。
日本に旅行に来た外国人をお客様にする場合は、現実の日本社会の圧倒的なリアリティーの中で有利に商売を進めることができますが、越境ECにはそのアドバンテージはありません。

はじめて行った海外で、自分が「外国人」として、見ず知らずの街の路上で露天商にでもなったシーンを想像してみてください。
もちろん、これは極端な比喩ですが、しかし、越境ECの根本はこれと同じです。
ただ、Magentoというアプリケーションの装いを身に纏うことで、露天商ではなく、一角のウィンドウショップになれるのです。

サイトのトップでも書いたのですが、私は、個人や零細企業こそが、海外に目を向けてビジネスを展開すべきだと考えています。
グローバリズムは、とかく悪く言われることが多いのですが、その弊害を嘆いていてもなにも解決しません。
日本にいながらにして日本円以外の通貨で売上を立てることのできる越境ECは、インターネット時代の恩恵です。
そして、個々人が常に外側の視点を持つことは、ひいては、日本国内の産業をミクロのレベルから活性化させることにも繋がるのではないかと思います。

尚、越境ECというと、中国・香港・台湾向け、あるいは東南アジアを含めた中華圏向けが大きな潮流になっています。
独自サイトの展開であれば、香港やシンガポールのサーバーにMagentoで構築することになります。
一方、中国大陸内のサーバーやCDNサービスを使うには、中国に法人を設立してウェブサイト運営の許可証を取得しないといけないので、かなり面倒です。そのため、中国大陸がターゲットであっても、先ずは香港のサーバーを便宜的に使うのがベターとされています。
中国語圏の越境ECについては、いずれブログで思うところを書きたいと思います。

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