Magento2.3リリース!PWAを実装した新しいMagento

By |2019-03-09T08:40:03+09:002018年11月25日|Categories: Magentoの設定, Magentoバージョン|Tags: , , , , |

1. Magento2.3.0リリース

先日、Magentoの公式ブログにて、Magento2.3.oバージョンが、2018年11月28日にリリースされると公表されました。来年1月〜3月くらいにずれこむことも噂されましたが、当初の予想通り、2018年秋-冬にリリースとなりました。

今回の2.3系は極めて重要なアップデートで、これによってMagento2は、新しいECサイトのスタンダードを実現した、と言っていいくらいのインパクトを持つのではないかと思います。

Magento2.3リリース

同日には、Magento2.2系以下のアップデートもリリースされます。
すでにMagento2.2系で運営されている方は、当面は2.2の最新バージョンへのアップデートをして、2.3.0はデモでさわることが推奨されます。来春以降には2.3.1、2.3.2、と修正がされてくるでしょうから、そのあたりでライブ環境へのテストをしてみるのがスケジュール的にはいいかもしれません。

今回の2.3で新しく実装されるものとしては、PWA(Progressive Web Application)と、Page Builder の大きく二つの機能があります。特にPWAに関しては、多くのEC事業者が待ち望んでいた革新的なものになると思います。

2、Magento PWA – ECストアのモバイルアプリ化

PWAは、一言で言えば、ECサイトのモバイルアプリ化機能です。

本当は「アプリ」ではないのですが、PWAの実装により、ユーザーがモバイル環境で、MagentoのECサイトを「まるでアプリのように」利用することができるようになります。サイト(PWA)のアイコンがスマートフォンのホーム画面に設置でき、ストア内のローディングもブラウザより速く、プッシュ通知機能や一部オフラインでの稼働も可能となります。
PWAで集客してストアへ誘導するというわけではなく、PWAがストアになっているので、PWA内でユーザーからのご注文が完結します。

元々PWA(Progressive Web Application)は、Googleが2015年頃から開発していたオープンソースの技術で、Magento社はそれを導入し、Magento PWA Studioという、MagentoのコアとなるモジュールとしてGitHub上で開発してきました。そして、このPWAは、GraphQLという言語をサポートする2.3系から、Magento2本体機能に実装される事になりました。

スマートフォンが普及し、ユーザーからのアクセスがスマホからが主流となるここ数年の流れの中で、ECサイトの運営者は、コンバージョンの低下に悩んできました。PCサイトからのコンバージョンが平均3%とすると、スマホからのコンバージョンは(レスポンシブにしていても)1%程度と言われています。
一方、ユーザーのモバイルアプリの利用時間が飛躍的に伸び、大手ECプラットフォームのモバイルアプリからのコンバージョンは、5-6%と高い数字が報告されています。

しかし、自社サイトをモバイルアプリ化するのはコストが高く、また実際にアプリをリリースするにはApp StoreやGoogle Playストアの審査を経なければならないので、小規模の事業者にとってはハードルが高く感じられてきました。

PWAは、そのようなEC事業者の悩みを解決する革新的な技術です。
つまり、Magento2でECストアを構築すれば、ブラウザで閲覧されるサイトに加えて、それがそのままアプリのような外見で、まるでアプリのような感覚で、ユーザーの手元のスマートフォンでも動いてくれるのです。PWAがコンバージョンの上昇にプラスに働くのは必至と考えられます。

ただ、アプリストアからのダウンロードという形での集客はできないので、あくまでサイト来訪者にPWAアイコンをアプリ風に設置してもらうことが導線となります。そこがネックといえばネックですが、通常のエンドユーザーにとっては、一度端末にPWAがインストールされれば、それがネイティブアプリなのかPWA(Webアプリ)なのかで大きな違いはなく、それよりもスマートフォンで実際に快適に利用できるかどうかがポイントになります。

このスマホ全盛時代においては、ECストアのモバイル経験をより良くし、多様化、洗練化させていく方向に対応していくしかありません。ですので、すでにストアをアプリ化した事業者にとっても、PWAは有力なツールといえるので、今後、ECストアの形態として一般的なものになっていくと思われます。

Googleの技術ということもあり、将来的には、サイトがPWA化しているかどうかが、SEOのアルゴリズムにも加味されるようになる可能性もあります。

3、Page Builder – 直感的デザインツール

Page Builderは、Magento管理画面内での直感的なデザインツールです。

同種のものは、サードパーティのベンダーからもいつくか出ていましたが、今回、Magento本体にもオフィシャルに導入されることになりました。
これにより、コードが分からないサイト運営者も、クリックとマウスドラッグとテキスト入力だけで、ある程度自由にページデザインをすることができるようになりそうです。

正直、 Magento2のレイアウト設計は複雑です。
classがテーマのxmlファイルで組み込まれていたり、デフォルトのLumaのものだったり、管理画面のwidgetから任意で組み込むこともできたり、また、それらがCMSで編集できるとしても、どのCMS Blockに紐づけられているかを、ビジュアルで確認することができません。なので、「ここをこう変更したい」と思っても、どこを編集すれば反映されるのか、あるいはコードをいじらなければ変更ができないのかが、サイトのインターフェイスを見ているだけでは分からないのです。

このPage Builderの導入により、管理画面から直感的にページデザインを組むことができるようになるので、レイアウトの複雑さが改善され、Magento2を初めてさわる人にはとても便利なものになると期待されます。
(もちろん、従来のCMS編集がベースになっているので、Page Builderは無効にしておくこともできると思います。)

4、Magento2.3系からが、本当のMagento2(になりそう)

上記のPWAとPage Builder以外に、Magento2.3の新しい特徴としては、PHP7.2のサポート、非同期APIリクエスト対応、Elasticsearch対応、複数在庫元管理の対応、WYSIWYGのアップグレードなど、大きな変更があります。
また、Google ReCAPTCHAや管理画面ログインでの二段階認証の標準装備など、セキュリティ機能面での向上もあります。

昨年の12月には、Magento2は本当に使えるのか?などという(ちょっと挑発的な題で)記事を書きましたが、1年が経ち、ついにMagento2は、本物のMagento2になりつつあるという感を抱いています。

特に、PWAの実装は、今後のECサイトのあり方を決定づける、エポックメイキング的なものとなるかもしれません。
具体的な仕様は、実際にMagento2.3をさわってから、また後日このブログにてご報告させていただければと思います。

追記(2019年3月9日):
PWAもPage Builderも、3月中にリリースされる2.3.1バージョンからの実装となりそうです。
PWAは、Magento2の既存テーマのシステムとは違い、ReactというJavaScriptによって、デザインを一から作成しなければなりません。つまり、管理画面でPWA設定を有効にすればすぐにMagento2のストアがPWA化されるというわけでもなく、PWAストアのための新しい開発や作り込みが必要となります。なので、開発のためのツールがMagento2に導入される、という風に理解したほうがいいかもしれません。PWAの作り込みがどこまで簡単になるか(非開発者でも作業できるようになるか)は、いまのところ何とも言えません。
VeniaというPWAのサンプルストアが、Magentoの開発チームにより公開されています。スマートフォーンでアクセスをするか、Chromeでスマホ画面表示でご確認ください。


Magento2 PWAサンプルストア Venia
https://veniapwa.com/